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ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

弊社の強みを考える

会社を作って、事業計画とかを考えていくと、会社の強みを考える部分がある。他の会社よりあなたの会社の優れている点はどこですか?という問いだ。

これに自信を持って「これです!」と言えればそれはそれで結構なことでうまくいくだろう。だが実際はそんな小規模の会社でそこまで強みを押し出せる会社は一体どれくらいあるのだろうか?

自分に置き換えて考えてみる。まず最初にパッと思いつくのはやはり「技術力」だ。弊社には技術力があり、他社ではなかなか真似のしにくいビジネスモデルを構築できます!ということ。この点について改めて深く考えてみると、実際はそこまで高度な技術を使っているとは自分では考えにくく、時間をかければある程度技術を学んだ人なら作れるものではないか、と感じた。そのため、これはまぁ最低限ありますくらいな感じ。

次に挙げられるのは「意思決定のスピード」だ。大企業では承認をもらい、他人と協力しながらやっていくため、時間がかかります。その反面、弊社は少ない人数で素早い意思決定のもと誰よりも早いリリースをすることが可能です!ということ。この点について改めて深く考えてみると、実際はスタートアップなら当たり前のことなのではないか、と感じた。そのため、これはまぁスタートアップだからねくらいな感じ。

はて、じゃあ自分の会社の強みって何だろう? 考え、もがく日々が何日か続いてやっと気づいたことがある。

コネクシィ株式会社の強み

それは、「借り入れ無し、株式100%所有経営」だ。つまり自己資金のみで会社を運営する。さらにそれを継続させるための徹底的なコスト削減を実現できる。そうすることで常にユーザと向き合い、サービスの改善、ユーザーのサポート、マーケティングに力を注ぐことができる。その他の余計な外部向けのタスクが割り込んでくることがない。今の所、自分一人の計算だけどこのまま会社の全く収入がなくても2年は持つ計算だ。さらに他の個人所有のアプリで家賃と食費くらいは稼げる程度になったので、2年半はいける計算をしている。

自分の周りのスタートアップはかっこよくVCから何億円調達し、AWSを駆使してサーバを構築したりするが、弊社はユーザの少ないうちはサーバの負荷もほとんど気にならないだろうということで本番環境もHerokuで運用することにしている。さらにデータベースも軌道に乗るまではHerokuアドオンの無料プラン。これでも実は十分に運用が可能だ。

つまり、月々にかかるサーバ費用はなんと0円だ。HerokuはHTTPSもサポートしているのでどうしてもかかるコストは年間のドメイン代くらいだ。それでもちゃんとアプリとして成立する。

(かっこいい) オフィスは持たない。持つ必要がないから。基本は家でやるけども、気分を変えたい時は図書館に行けばもっと集中できる環境があるし、外でも仕事ができる。それなのにわざわざオフィスを構える必要がないと自分は判断している。

このような経営哲学は Rails 及び Basecamp を作った 旧 37 Signals, Inc. (現 Basecamp, Inc. )と同じだ。興味のある方は小さなチーム、大きな仕事という有名な本があるので一読をお勧めする。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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よくある反論

お金をかけないと広告とか人件費とかの費用が出せなくて他の会社に追い抜かれるぞ!というご指摘。

これは本当にごもっともで、同意せざるを得ない。

ただこれは, やろうとしているビジネスフィールドによって違いがあると思っている。例えば現在、大量の広告を出しているGunosy や SmartNews。彼らはその他たくさんのニュースアプリが出回っていて、それらを追い抜く必要があるし追い越されないようにする必要がある。もう既に市場がほぼ出来上がりつつある中のシェアの取り合いだ。

その反面、コネクシィはブルーオーシャンな色合いが強い。コネクシィが成功したということは日本の移動に対する文化が変わったとも言える。これは1月や半年で実現するのは不可能だ。根気強く1年2年待たないとなかなかユーザーが定着しない。これはAirbnbを見てもよくわかることだろう。あれも今の規模になるのに6年はかかっている。そのような変革型ビジネスモデルの場合、VCとか借り入れ先とかと関係を持ってしまうと、しばらくの間かなり気まずい時間が流れることになる。経営者はその人たちの機嫌を取るためにがんばるようになり、ユーザーのことを考えなくなる。サービスを縮小し、他のすぐに儲かりそうなビジネス(ソーシャルゲーム!)に移るしか選択肢が無くなってくる。これがお金を受け入れてしまった会社のパスだ。

本気で日本を変えるビジネスをするなら、自己資金でやらないとまず失敗すると思っている。

日本だとCookpadは尊敬している。あちらの会社は何年もずっと収益がでないままずっと我慢して信じてビジネスをやって、それで今の地位がある。そのたゆまぬ努力によって営業、人事、技術、経営どれもが無駄が無く洗練されており、他の会社とは一線を画すチームワークを形成している。Airbnbもそんな感じ。つまり自己資金でじっくりともがき、成長してきた会社は強い。そう思っている。

結局他人からもらったお金で経営したら大事にしていこうとは中々思えないという基本的なことだ。自分のお金ならめちゃめちゃ大事に使うし、本当に大事な人しか雇いたくないと思うのが普通だ。その思い強さの違い。

弊社の最大のリスクは何か

それは「自分の熱意」だと思っている。コネクシィに対する熱意が無くなった時点でこのサービスは終了だ。自分は他の何かを作るかどこかの会社に就職しなければならない。

自分の熱意を支えるのが、「会社のビジョン」だと思っている。自分はどういう世界を実現したいのか。その原点に今一度立ち返ることでブレない軸を形成し、どんな困難が来ようとも乗り越えられる意志が芽生える。

このテーマについて起業してから長らく考えているが、これは自分の会社が存続する限り、ずっと考えなければならないテーマだと思っている。