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日本のブルーオーシャン戦略を読んで

こんな本を手に取り、読んでみた。

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

ブルーオーシャン戦略の特筆すべき例として、「任天堂Wii」を挙げていた。あの製品は従来のゲームは若者がするもの、という常識を覆し、家族みんなでという新しい層を生み出した。また、従来のゲームの追求する先(レッドオーシャン)だったゲームの画質などのコストをできる限り抑え、その方向性よりも、より起動を早くしたり、掃除の際に邪魔にならないような作りにしたりといったターゲットにあったこだわりを作ることでPS3の2倍以上の売上げを得ることができた、というエピソード。

まさにブルーオーシャンとしての成功例ではあるが、一般企業が確実に、ブルーオーシャン戦略を成功させるにはどうしたらいいのか。そのためにはしっかりとした事前調査と、バリューについて考える必要がある。

その分野のバリューは何か。人は何を基準にそれらの製品を選ぶのか。その軸となるものをできる限り挙げ、競合と自社がそれぞれどのような立ち位置にいるのかを把握する。もし似た位置に他の企業がいれば、それはレッドオーシャンの泥沼にハマりつつある証拠となる。ブルーオーシャン戦略を実施するためには、どの価値を下げたり、消したりして、"今までに無かった評価軸を追加するか"ということに重きを置く。この新しい評価軸ってのが大事で、これを従来の顧客の軸として考えるのではなく、今までその製品を使っていなかった顧客層を中心に考え、彼らに共通した軸を探し出すことが必要になってくる。そのためには今まで使ってこなかった顧客層をしっかり観察し、彼らはそれらの代替として何を使っているのか、そもそも必要としない理由は何なのかといったことを調べる必要がある。

そうして見つけた新しい評価軸を元に新しい製品を考える。コストは彼らに最も見合った金額で設定する必要がある。その後に必要なコストをそれに見合うようにしていくが、そこで従来大事だった評価軸を削っていかなければならない。ブルーオーシャン戦略は顧客層も広めるし、値段も低コストで提供することに意味がある。

そういう意味ではビール業界はかなり色々な戦略を立ててやっている印象を受ける。通常のビールだけでなく、ノンアルコールであったり、高級ビールであったり。そこら辺はかなりマーケティングがしっかりしている印象を受ける。その反面、携帯電話業界はどうだろう。ひたすら訳のわからないオプションを付けまくり、ただただ煩わしく、独自性もほとんどない。もっとブルーオーシャンで攻められる携帯が出てきても良いように思う。

マーケティングの考え方として面白い点がいくつかあったので、良い本だったと思う。今回は移動における評価軸について、コネクシィのブログ

移動における"価値"を考える | The Connexi Times

にまとめてみた。まだまだ荒削りなのでここはもっと突き詰めて考えていきたいところだ。