ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

カスタマーサポートのコスト時代の終わり

ども、@kimihom です。

カスタマーサポートの話は他で色々しているんだけども、このブログでも書いておきたいと思ったので書いてみる。まずこの話題を書く気になったのは、以下のメルカリ社のニュースを見て喜びを感じたことから始まる。

カスタマーサポートをプラチナ職種に!福岡オフィスの新スタートをお祝いしました

あのメルカリといえば、非常に多くの人が使っているサービスだ。そのサービスの電話サポートとなるとどれだけの電話がかかって来るのかを想像しただけで身震いがする。個人間取引での間でのトラブルなど解決するのが難しい問題もあったりすることだろう。それでもあえて電話サポートを開設するという決心をされたことに拍手したい。

カスタマーサポートはコストなのか?

カスタマーサポートの品質は悪いし対応も遅いから、決まりきったサポートはどんどん自動化していくべきという考え方がある。

だがほとんどの場合、人が FAQ にも書いてあるのに電話をかけて来るのは、「心配だから」なのである。それに対して、自動化してチャットボットが返信したり機械音声での電話応答だった場合に、顧客は問題を解決できたとしても"心配"を拭うことはできない。逆に信頼を損ねてそのサービスを使い続けたいとは思わなくなる可能性もある。他にちゃんと声を聞いてくれるサービスの方が安心できるので他に移ることだってあるだろう。

顧客の"心配"を"安心"に変えるためにはどうしても生の声を聞くサポートが必要だ。これはどんなに時代が進んだって変わることのない事実だ。顧客の安心を提供することを軽視し効率を求める企業は、顧客もその企業を軽視することになるだろう。顧客はその企業を色々な企業のうちの1社くらいにしか思わなくなり、別にその会社じゃなきゃいけない理由なんてものはなくなって愛され続ける企業になることはできない。

それは気軽に入れるファーストフード店と、ひっそりとした佇まいにある歴史ある名店との違いみたいなものだ。ファーストフード店は徹底して効率を求めるので値段は安く提供できるけど、品質や対応もその程度のもので終わる。歴史ある名店はファーストフード店でやっている効率化をあえて手間暇かけることで、訪れた客に感動を与えてまた来てもらえるようなことを徹底して考えている。この両者の違いは日本人が一番知っているはずの"おもてなし" の概念だ。歴史ある名店がお客をもてなすことを"コスト"だと考えるはずがない。おもてなしをコストだと考えるお店は顧客に選び続けられるための手段がない。

ファーストフード店のような効率を徹底して求めたい人もいるだろう。けれどそういうビジネスってのは一気に登り上がった後に、すぐに競合が出てきてやられる運命にある。あのマクドナルドだって効率化を求めすぎて問題を起こした。愛され続ける名店であれば、100年を超えていつまでも人々に必要とされる存在として残り続けることができる。今の世の中に求められているのはそのような企業ではないだろうか。

顧客対応をいつまでケチるのか

営業やマーケティングに人件費や広告を費やすより、カスタマーサポートに優秀な人材を揃えて 顧客に満足してもらえる仕組みを作ってもらうべき時代がやってきている。

評判の悪いサービスを営業しに行ったりマーケティング費用を費やして、一体誰がそれを使うのだろう?今や誰もが製品をググったり、 SNS などを見て簡単に評判を知ることのできる時代になった。にもかかわらず、その評判を左右する既存顧客を大切にしない (カスタマーサポートに力を入れない) 企業が未だに多い。一体いつまでカスタマーサポート担当者を外注したり、何も知らないアルバイトや新入りの素人に任せたりするような体制を取り続けるのだろうか。成長を追い求めすぎる企業は、自社の評判を気にすることなく突き進んでしまい、その過程で起きた悪評が一気にネットで広まり、崩落していくのである。

カスタマーサポートにはほとんどが単純な質問しかこない? だったらその単純な質問が来ないようにサービスやプロダクトそのものを改良し続ければいいだけの話だ。そうするとまた新しい質問や要望がやって来る。改善を繰り返した先に来る今までになかった質問に対して人工知能が対応できるはずなどない。良いプロダクトにし続けている企業のサポートにロボットが入れる隙間などないのだ。

そんな決まりきった質問しかこないような体制なのであれば、改善する気のないプロダクト自身に問題がある。カスタマーサポートは本来、もっと高度で貴重な仕事になっているはずなのだ。

良いカスタマーサポートは新しい顧客を呼び、良い評判を生み、それが営業やマーケティング以上の効果を生むことになる。顧客はいいサービスか悪いサービスかを判断し、感動すれば SNS に投稿するだろう。そんな友人が評価した情報が実は営業やマーケティング以上に魅力的な新しい顧客を呼ぶことにつながるのだ。

終わりに

今回は改めてカスタマーサポートの重要性について語らせていただいた。

カスタマーサポートを会社全体として大切に思う姿勢があるかどうかにかかっている。カスタマーサポート担当者だけが重要性を理解しているだけでは意味がない。

電話やチャット、メール、対面など、あらゆる顧客接点の一つ一つを大切にするような企業が残り続けることになるだろう。

カスタマーサポートのコスト時代は終わりに近づいている。