ボクココ

個人開発に関するテックブログ

機能開発より機能改善が大切な理由

ども、@kimihom です。

ここ数日ちょっと風邪をひいてしまって更新が遅れてしまった。。でも今日からまた復活したので書いていこうと思う。今回はサービス開発においての"何をやるか"について。

なぜ人は機能開発を安易に選ぶのか

ここでいう"機能開発"は、「サービスにおいて今までなかった機能を新しく顧客に提供するための開発」とする。

これは一見すると顧客にとって価値を与えられるための手段に見える。そして、機能開発は簡単だ。今まで開発してきた機能とは全く別で追加するだけなので、あまり他の機能との依存関係を気にする必要はない。前に誰かが書いた酷いコードの影響を考えずに、のびのびと新しくコードを書くだけでいい。

新しく機能を開発すれば、「自分の成果」を誰に対しても見せつけることができる。それがプロデューサー、エンジニア、デザイナーそれぞれの成果として会社の評価に響くことだってあるだろう。お客さんに対しても、ちゃんと働いてるアピールをすることにもつながる。

上記のような点によって、ほとんどの人が機能開発にフォーカスしたくなるのは適切なように思える。実際、機能開発こそ全て!なサービス開発をしている企業が多い。私はそんな流暢にあえて “No” と言わせていただきたい。

新機能開発の落とし穴

こんなにもいいことづくしな新機能開発だが、どこに落とし穴があるのだろう?大きく分けて致命的なデメリットが3つある。

まず一つ目に、サービスの強みが薄らぐ というのがある。他社製品と差別化していくべき時に、自社の機能改善をせずに機能開発をしてしまうことで、尖ったサービスで無くなってしまう。多機能なサービスは、他のよくあるサービスのうちの1つにしかならなくなり、他の類似サービスと比較してもメリットを感じないサービスとなる。新機能開発を続けることは、表面的な開発しかしないのでそれぞれの機能が洗練されていくことがない。つまり、「機能の多さで勝負することは、それぞれの機能に自信がないことの現れ」である。本当に自信のあるサービスなら、たった一つの機能で顧客を魅了する。他の機能はその圧倒的な一つの機能を補足するために過ぎない。そんなレベルのサービスが、他社を寄せ付けず圧倒的 No.1 を獲得することができる。

二つ目に、無駄に人が必要になるということがある。新機能開発主義は、特に今までの依存関係を気にすることなく人手を使ってなんとかしていくことがでいるので常にエンジニア不足に陥る。そうしてなんとか雇ったエンジニアたちは、それぞれのコードを書いていくことでサービスがどんどん複雑になっていく。そうしてエンジニアの入退職を繰り返していくうちに、メンテ困難な肥大なソースコードが見事完成するのである。

三つ目に、顧客を迷わせるという点がある。新機能開発ってのは否応にして既存顧客の好みがはっきりと分かれる。A, B, C といたら確かに A だけはその新機能を欲していたかもしれない。しかし、ほとんどのユーザーにとって、現状の機能で概ね満足しているからこそ使い続けてくれているので、無駄に新機能ができたところで喜ぶことはあまりない(機能による)。逆にほとんどのユーザーにとってあまり使わない機能だったら、ただ単に複雑になるだけだ。無駄な機能開発で満足するのは、開発元の会社だけだ。

機能改善を意識しよう

機能改善を意識できているということは、自社のサービスの強みを理解しているということにつながる。その強みを磨き続けることで、業界で圧倒的に他社を寄せ付けないサービスを実現することができる。

それは地味な作業の繰り返しだ。ぱっと見の UI が変わることなんてほとんどないし、ユーザーに大々的に告知することもできない。それでも、その地味な機能改善を繰り返しによって圧倒的な機能の精度、正確性、洗練さ、速度を実現したサービスは、不思議な使いやすさを実現する。地味な機能改善を繰り返すことで得られる境地だ。そして、この地味な作業な繰り返しには、多くのエンジニアを必要としない。一人の情熱を持ったエンジニアが改善を繰り返すことで市場を独占することができるのである。

“機能の多さで簡単に真似されることはないサービスを実現できる” だとか、 “あの有名なサービスは多機能だから、うちも多機能なサービスを目指そう"と考えるのは危険だ。なぜならそれぞれの機能に最適化されたサービスが出てくれば、一つ一つが微妙で複雑なサービスを使う理由がなくなるからだ。世の中には多機能なサービスで成功したものはあるけども、そのサービスにだって他を寄せ付けない一つの圧倒的な特徴ってのがあるはずだ。それがなければ簡単に他が真似できるのだから。

終わりに

今回はプロダクト開発における"改善"について焦点を当ててみた。

尖ったサービスを目指しましょう。そうすれば、顧客がそのサービスを選ぶ理由ってのが生まれて、サービスを使い続けてくれるようになる。私はそう信じている。