ボクココ

個人開発に関するテックブログ

起業はスタートアップだけのものではない

ども、@kimihom です。

インターネット企業としてサービスを作って、自分の作ったサービスで食っていく。ってなったときに、皆さんなら起業してどのようにやっていくか?このとき、特に学生など若い人はピッチをして投資家から資金を得るという方法を最初に知ることだろう。 実際、そのくらいしか方法がないと思い込んでいる方が多いようなので、今回はそれ以外の選択肢があって、それも大変魅力的であるということを伝えるためにこの記事を書いている。その方法こそ、Bootstrap と呼ばれる企業形態だ。

先日、Boostrap に関して以下のようなイベントを開催した。オフィシャルな内容は以下にまとまってるので、こちらを参照いただきたい。

www.selfree.co.jp

Bootstrap という起業形態

Bootstrap は、自己資金でサービスを立ち上げて、顧客から得たお金で会社を回すという実にシンプルでビジネスの真理をついた会社の運営形態だ。どの業界でも、この形態であることは当たり前のはずなのに、インターネット業界になると全く話が別になる。

なぜインターネット業界に限ってはこれがレアパターンとなるのか。それはインターネットでサービスをやる上で収益化が非常に難しいことが挙げられる。一般的にモノを作ったり売ったりすれば、対価としてすぐにお金を得られるけども、サービス開発の場合は作ってからユーザーが使い、その一部のユーザーがサービスに課金してくれたり、大量のユーザーを抱えることで広告を出すことで収益を得られるパターンが多い。最初のユーザー獲得はとても難しいけども、うまくいったら日本中へ一気に広がっていくっていう特徴がある。

そんなこともあって、投資という甘い誘惑にかられながら、利益はあまり考えずにとりあえず一か八かで"スタートアップ"としてビジネスを始めてみようっていう企業が生まれていくのである。お金というのは一種の麻薬みたいなもので、目の前に潤沢なお金があるとそれを使うことにしか目がいかなくなる。人を採用したり、かっこいいオフィスを構えたり、広告費を大量に投入したり。。そしてどんどんと減っていく資金を前に、ビジネスを成長させることよりも、次のお金(投資)をどっから受けるかを必死に考えるようになる。多くの社員を抱えたまま、生きるか死ぬかを彷徨い続けているスタートアップを私は何度も見てきた。"起業したのはこんなことをするためにしたのではない。" と嘆く頃にはもう手遅れなのだ。

考えてみてほしい。Bootstrap で起業した場合、最初のその辛い時期さえ乗り越えられれば、そのあとは経営者にとって素晴らしい世界が待っている。誰からとやかく言われることなく会社を完全にコントロールすることができ、日本中/世界中に顧客を抱えるサービスを維持し続けることができる。私たちが見なければならないのは顧客だけとなり、そのほかの利害関係者は存在しないのだ。失敗したとしても、害を被るのは自分の貯金と時間だけなので、ダメージを受けることも少ない。

これからインターネット業界で起業を考えている方へ

これから起業しようと考えている皆さんは、1,2年給料がないと生活していけないレベルだろうか?その場合、なぜ今すぐ起業しなければならないのかを改めて考えてほしいと思う。企業に勤めて貯金を貯めてから起業することもできるはずだ。今やパソコンとインターネット環境さえあれば起業できるのに、何をそんなに焦ってお金をかき集める必要があるのだろうか?

お金を得て、一気に人を雇い広告をバンバン使って一気に成長させることがそんなに良いことなのだろうか。本当にサービスを愛してくれる少数のユーザーがいて、その人たちのためにサービスをよくし続けることの幸せと、あなたはどちらを選びたいか。一気に成長させられれば、創業者(ファウンダー)だけは イグジットした時に膨大な利益が得られるかもしれないけども、自分だけよければそれで良いのだろうか? ここのところをもうちょっと深く考えた方がいいのではないかと思っている。

正直なところ、インターネットサービスで必要な要素としてお金ってのはほとんど存在しない。お金よりも、サービスをよくしたいという情熱と技術力、そしてお客さんを大事にし続けるというおもてなしの心といったマインドやスキルの部分だと思う。それは創業者の力によるものが大きい。影響力って意味では、Bootstrap でもサービスのクオリティや発信力次第で無限の可能性が広がっているのだ。

そして自分の貯金を切り崩して事業をしている人は、言うまでもなく本気になれる。失敗してもいいやとは誰も思ってないから、必死に考えることでサービスを成長させることができる。自己資本でサービスを立ち上げて、最初に課金してくれたユーザーのことは忘れることのできない思い出となるだろう。広告や紹介などで半ば強引に引き寄せた顧客とは比べ物にならないほどの価値を持つ。そんな Bootstrap としてサービスを立ち上げ、信念が込められたサービスが日本からバンバン出てきてほしい。そんな願いで Bootstrap のイベントを開催し、参加している。

終わりに

今回は Bootstrap という企業形態について私の思うところを書いてみた。

インターネットサービスを Bootstrap として立ち上げ、素晴らしいサービスを顧客に提供し続けている企業がいることをぜひ覚えておいてほしい。

Bootstrap Night のイベントは、日本でおそらく唯一の自己資本で運営する人たちが集まるイベントだ。このイベントを定期的に開催し、ノウハウを共有することで、起業にチャレンジする人が多くの選択肢を持って、自分なりの幸せを掴み取っていってくれることに貢献していきたい。

あなたなら、きっとお金がなくてもサービスは成功させられる。Bootstrap の流れの先頭で私も走り続けていきたい。