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サービス開発を成功させるまでの歩み

起業時に考えるべき富と自由の関係

ども、@kimihom です。

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今回はこれから起業したいって人向けに、一つの大事な考え方についてシェアしようと思う。

起業の目的は人それぞれだ。まず起業することによって、あなたがどうなりたいのかは明確に決めておくべきだ。そうでなければ、何のために起業したのかわからなくなって、起業した意味がなくなってしまうからね。

そこで1つの大事な質問がある。「起業することによって欲しいのは富か自由か」という選択である。

富を選択した場合

富を選択するなら、基本的に投資を受けるという選択をすることになる。それによって、一時的に大きな資金を得ることができ、一気にたくさんの人材を抱えることで他が追従できないくらい爆発して成長することに"賭ける"ことができる。そしてそれがうまくはまって、最終的にイグジット(上場, 売却など)すれば創業者の株の比率に応じて富を得ることができる。その評価が周りから高ければ高いほど、イグジットした時に得られる報酬が上がるってわけだ。これぞアメリカン・ドリーム。"名声"などが欲しい場合もこのカテゴリに入るだろう。イグジットすれば、大きなお金と知名度を得ることができる。

その反面、そこに完全な自由は存在しない。なぜなら、会社を持っているのが創業者だけではなくなるからである。創業者は資金を受ける替わりに、自社の自由を手放す必要がある。つまりステークホルダー(関係者)との契約などによって縛られることになる。上場した後では株主に対しての説明責任が常にプレッシャーとしてかけられるし、常に "利益"が真っ先に求められる。起業したのが金儲けのためだったならそれはそれで間違いではないかもしれないが、時には自分の思いを曲げてまでも利益を取らないといけなくなってしまう。そうなってしまった状況に対して、創業者が本当にしたいことが全くできず、金に縛られた会社経営を歩む結果を招くことも少なくない。

うまくいった場合はまだ良いんだけど、いかなかった場合にはさらに辛い思いをすることを覚悟しよう。資本を受け入れてたくさんの人を採用した後、資金が尽きかけて会社の存続が危ぶまれた時にかかる創業者の従業員に対してのプレッシャーは半端ない。投資を最初に受けるのは意外と簡単なんだけど、継続的に成功させ続けることの難しさと辛さを知っておいたほうがいいだろう。

自由を選択した場合

自由にやっていくためには、できる限り外部の資本を入れず(理想は自己資本100%)、コントロールしてやっていく必要がある。それによって、第三者からとやかく言われることなく事業を継続することができる。もし自社のコントロールを保ったままビジネスを成功させれば、社員の自由を手に入れることができるのだ。これは利益第一主義なビジネスからの脱却である。 その反面、第三者からの資金の入りとかが一切ないので、少ない資金の中で無理くりやっていく必要がある。それで資金が尽きればその会社はそれで終わりだ。だから、この方法で一気に人をかき集めて一気に成長させるってのは基本的に不可能である。その間、お金も一切入らないので、自己資本の会社経営次第では、失敗したら完全に時間の無駄だったという結果になりかねない。

大きな市場を選べば、他の大きな資金を得たスタートアップとの戦いも生まれることもあるだろう。それが嫌なら大きな成長は難しいけど、ニッチなターゲットでやっていく選択もある。

両方を選択したい?

富も自由も得られるスーパーマンは起業した人の0.1%にも満たない。どんなに事業を成功させたとしても、創業者が思い通りに経営できるようにするには、持ち株比率が過半数を超えていなければならない。その株主比率を保ったまま、急成長させるのはよっぽど時代を先駆けてビジネスをやっていった少数しか手にすることができない。このためにはコンピュータそのものを開発したり、誰もチャレンジしたことない領域で競合を寄せ付けず、飛び抜けて成功する必要がある。つまり、今更よくある(誰でも真似できる)ネットビジネスやアプリ開発したところで、その領域にはたどり着くことはできない。

自由にステ全振りした場合どうなるか

私の場合は後者の"自由"にステ全振りしている。つまり一切投資を受けずに自社サービスを運営し、そこで得られた収益で食べていっている。仕事で関係のある取引先は顧客だけであり、今後の方針などは創業者の意志によって完全にコントロールされている。誰かからとやかく言われることもなく、働き方はリモートワークで完全に自由だ。そして、得られた収益は既存顧客のために使っていきながらも、そのまま自分たちの元へ返ってくる。

イグジットして大金を得るより、今運営しているサービスを使っていただいている顧客と良好な関係を継続していきたい。私にとっての仕事のやりがいは収益ではなく顧客との良好な関係の継続にある。これを実現するには自由にステ全振り(完全自己資本)でやっていくことが究極の選択になる。

これは一見、とても魅力的に見えるかもしれないけど、半端ない努力と孤独との戦いが必要だということを覚悟しなければならない。当然最初はお金がないから人を雇うこともできないので、お金がなくてもやっていく気概のある創業メンバーを探すか一人でやっていくかを検討する必要がある。そしてそれがうまくいくなんて保証は誰にもないから、失敗したら無給期間があった空白の時間だけが残るリスクもある。失敗した時にはどっかの企業で勤めていた方がよっぽどよかったという結果になる。うまくいった後に得られる世界があまりにも素晴らしい反面、うまくいかなかった場合のリスクがとても大きい。

でも、あなたが"起業"するという選択をした時点で、リスクをそれなりに覚悟しているはずだ。本当の意味でのリスクを覚悟し、本気でビジネスを自分の力で成功させるという思いのある人だけが、完全自己資本での起業を選択することができる。

途中で受託開発をして食いつないでいきながらやっていく方法もあるにはある。でも、受託開発で仕事の全てを奪われて、肝心の自社サービスにうまく手をつけられない人たちを私は今までたくさん見てきた。そして片手間で作ってるサービスで、他の投資を受けたスタートアップや後発の類似サービスとの戦いに挑まなければならない。

完全自己資本でやろうと思っている方向けに経験者の私から言えることは、サービス開発に対して本気で自信があるなら、ぜひやってみてほしいということだ。それで失敗することはあるかもしれないけど、成功までのハードルは意外と低い。自分が食べていけるだけのお金を最低限稼げれば80%以上はクリアしたことになるのだ。そして、顧客がお金を払ってでも使いたいサービスを、少人数で作れるチャンスはまだ十分あると思っている。失敗することもあるかもしれないけど、そこで学んだことは決して無駄にはならないし、成功するまでチャレンジし続ければ良いだけだ。私自身、完全自己資本でやっている間、何度もサービスの方向転換をして今に至っている。

終わりに

今回は起業時に考えるべき富と自由の関係についてそれぞれのメリット・デメリットをご紹介した。

個人的には創業時のモチベーションとして"自由"を選ぶ人は多いような気がしている。お金をたくさん持ったところで、何したいの?って話だからね。でも、その完全自己資本で会社をやるっていう選択をしてうまくいっている人の事例ってほとんど共有されないから、投資を受けることだけしか起業する(自由になる)唯一の方法だって勘違いしている人が多いのも事実だ。

完全自己資本で他にもうまくいく事例が増えていけば、本当の意味で平等に、「富か自由か」の選択を起業時に誰もができるようになるのではないか。それこそが、起業をして不幸になる人を一人でも減らすことのできる一つの対策になると考えている。だからこそ、私は完全自己資本に全振りした立場として、自己資本でサービスをやっていくことの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいと願っている。

もし興味を持った自己資本起業家の方は、ぜひこの記事を信じてついてきて欲しい。