ボクココ

個人開発に関するテックブログ

あなたのコア技術を公開してコミュニティに貢献しよう

ども、@kimihom です。

みなさんには、「これがウチのメインで使われているテクノロジーです」と言えるくらいの、コア技術を持っているだろうか。そんなコア技術こそが他社サービスと差別化ができると私は考えている。

企業秘密を公開する

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私は常日頃から Twilio と呼ばれるコミュニケーションテクノロジーに磨きをかけている。当然、私の主要プロダクトである CallConnect も、その Twilio の技術を存分に利用してできた新サービスである。これに関してはかなり使い込んでいて、色んな地雷を踏んで、色々と実験をし、改善を繰り返してきた。だから、「これは私しか知らないだろうな」っていうのもちょいちょい出てくることがある。

そして、私は CallConnect の運営と同時に Twilio をいろいろなところで"教える"という活動をしている。一般的には"企業秘密"って言葉があるくらいで、真似されて自分たちの利益が下がると考えて公にしない場合が多い。自社にしかない独自の強みってのをそこで保ち続けようとしているのかもしれない。その技術を教えて普及させることは、自分たちのライバルを増やすことにつながるという意見もあるだろう。

しかし私はそんな自分たちの持っている技術を秘密にし続けるってのは時代遅れだと考えている。今やインターネットであらゆる情報が出回り、情報が出回っているこの世の中で、自社で保ち続けてる秘密ってのはもはや持続可能なものではないからだ。そもそも、独自技術の実現の過程で、きっと他のインターネットの情報を参考にしたものだってあるだろう。そう考えると、その独自ってのも結局既存技術の組み合わせに過ぎないものではないのだろうか。

むしろそれを公開してしまおう。教えることでその人やコミュニティに貢献し、その技術の発展の方に力を入れよう。

技術の一般化までのハードル

私の扱っている "クラウド電話" 技術は、そもそもまだ世間に認知されていない部分が多い。というのも、電話を電話機や専用アプリで行うのではなく、Webサイトや各々のアプリ間で行うものであるためだ。特にパソコンで電話するってのは馴染みのないことである。この認知の壁ってのは、サービス自体の壁ではなく、文化の壁だと言える。今までの"普通"を壊さなければならない。そんな文化を私たちだけで変えるってのはどうしても難しい。そう考えると、逆に"パソコンやアプリ内で電話をする"ってのが当たり前な文化になるように、他のサービスが出てきてもいいと考えている。そうして電話もネットやアプリでする時代が当たり前にならなければ、私のサービスだけでなく Twilio という技術自体にも大きな影響を及ぼすことになってしまう。 Twilio が今後より発展して行ってもらうためには、使っている私自身が布教活動を行うことも大切になってくる。

Twilio 自体が発展することはとても大事なことだ。使われることで、Twilio はより新しいテクノロジーに投資できるようになる。そうすれば、Twilio を使ってサービスを提供している私たちにとっても、大きな利益になることにつながる。"日本" で盛り上がるってのも大事なことだ。USだけで流行っているようでは、Twilio は US にしか力を入れないだろう。日本でも Twilio がかなり使われているってなると、Twilio もローカライズの方に力を入れてくれるものである。

Twilio コミュニティについて

さて、一般論はこれくらいにして、現状の Twilio コミュニティについてお話したい。まだまだ盛り上がりに欠けるってのが正直なところだ。 Twilio の根幹技術である通話の部分で製品化をし、販売している企業は他にもいるものの、どうしてもコミュニティという舞台にまで来ていただいていないというのが現状である。

CallConnect の類似サービスを運営されていたとしても、私は是非来ていただきたいと思っている。お互いが情報共有することで、それぞれのサービスがより良くなって、業界自体が盛り上がっていけば、それでいいのではないか。全く同じサービスを提供していたとしても、私は仲良くやっていきたい、そんな思いを持っている。競合は Twilio を使って類似のサービスを展開している企業ではなく、既存の電話業界ではないか!

だけど現実は甘くはなく、コミュニティに来てくれるのは毎回決まったメンバーばかりだ。そして、このような場に登壇してくれる人ってのも毎回限られてしまっている。そうなると、どうしてもコミュニティ自体が内輪な感じなってしまい、新しく参加する人たちのハードルを上げてしまう。この状態をどうにかしたい。そのためには、私が引き続き情報発信をしていかなければいけないと考えている。

次回開催される勉強会は、CallConnect の根幹技術である Twilio Client について、私が興味ある方へ "教える" というイベント内容となっている。もし Twilio 、そしてその先の電話の概念そのものを変えることに興味のある方は是非参加してほしい。

ちょっとだけこの Twilio Client についてお話ししよう。この技術を使えば、リアルタイムで相手と通話するってのを、アプリで実現できる。Uber も、Twilio Client を使って、ユーザーとユーザーが匿名で通話できるようなアプリ内通話を実現している。アプリ内通話であれば、通話料も極限までやすくすることができるし、電話番号を持つ必要すらない。アプリや Web 間で通話をするって、考えただけで実現が難しいことは誰にでも容易に想像つくだろう。それを Twilio は一瞬で実現してしまうのだ。

Twilio はアプリ間通話の他に、電話番号を持って、相手は携帯電話こちらはアプリやブラウザなどで通話するみたいなことも可能にしている。こんなあらゆる組み合わせが Twilio Client で可能なのだ。そう考えると、これって実はもっといろんな企業で使われるべき技術ではないと思わないだろうか?

Twilio Client 単体でビジネスをするっていう人はむしろ少なく、海外では自社のアプリや Web に通話機能を埋め込むって使い方で Twilio Client を使っている企業の方が実は多い。そこを知らない人が多いから、Twilio があまり認知されていないのではないかと考えている。

twiliojp-ug.doorkeeper.jp

この機会に、Twilio の可能性を感じていただけたら幸いだ。