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オンリーワン企業になるために必要な仮説

ども、@kimihom です。

ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン。

ということで、インターネット企業でオンリーワンを目指すにはどんな企業になっていく必要があるのか。下記の項目は私の仮説ではあるけども、理由とともに記して行こうと思う。

オンリーワン企業の魅力

オンリーワン企業はプロダクトを作る側/使う側どちらもハッピーになれる。

企業は使ってくれる特定の顧客のことだけを考えれば良い。自分のサービスを気に入ってくれた人だけに最高のサービスを提供するのだ。そうして企業と顧客の関係はより密接になり、いつまでも通い続ける常連の店や老舗旅館のような関係になっていく。

こうして企業はより一層、特定顧客のために素晴らしいサービスを提供しようと努力できる。新入りお断りくらいなレベルにすることで、特定の顧客はさらに熱狂的な顧客となり、強い信頼関係の中でビジネスを進めて行くことができるだろう。

強い信頼関係こそが、企業が安定して"継続"していくための土台となるだろう。一発当たって大成功イグジットしてゴールみたいな、そんな考え方には決してならない。人生は長い。自分の渾身の力作プロダクトを、顧客に永く使い続けてもらうことが、オンリーワン企業を目指すことの大きな価値なんじゃないだろうか。

ではそんな企業になるために必要なことを仮説として理由と共に挙げていきたい。

マスを取りに行かない

インターネットでビジネスをやっているなら、日本/世界を取りに行かないといけない。そんな固定概念のようなものが決まり切ったものになったのは、きっと大成功した Google などの企業しか普段見る機会がないからだろう。しかし、実際は一部の人だけに熱狂的に愛されているオンリーワンのプロダクトってのも存在する。

オンリーワンのプロダクトは、"特定のターゲット層にのみ熱狂的に支持されるプロダクト"である。特定の人たちがこれ以外考えられないというレベルのプロダクトに磨き上げる。ターゲットを明確に絞ったプロダクトは、その人たちだけが好んで使う機能を実装したり、他の層では必要な機能をあえて入れずに機能を簡素化することができる。一部の人たちだけに「まさにこれが私の求めていたプロダクトです」と言ってくれることがゴールだ。他の人から見れば、ニッチだと思われてあまり参入して来なそうな領域。そうすれば競争が発生することもないし、私たちプロダクト開発者はずっと顧客のことだけを見ればいいことになる。

マスを狙ったサービスでは実現することが不可能な領域である。オンリーワンな考え方は、資金調達をするとほぼ不可能になるだろう。得てして資金調達を受ければイグジットを求められるので、"マス"を取りに行かなければならない。一部の熱狂的なファン"だけ"に愛されるオンリーワンのプロダクトというよりは、特定の業界を独占するナンバーワンになることが求められる。既存の競合を蹴散らして、ユーザーを囲い込んでいかなければならない。そんなピリピリモードでビジネスをして行く必要がある。勝ったものだけが幸せ(?)になれる世界だ。

"オンリーワンかナンバーワンか" は人それぞれの考え方や価値観によって変わるものだから、全員がオンリーワンを目指す必要はないと思う。が、ナンバーワンになることしか知らないような人が多いような気がするので、もうちょっと書いていくとする。

成長よりも顧客の関係を大切にする

現場に1人しかいなくて仕事を分散できない状況にいた時、あなたは以下のどちらの企業を優先的に対応したいと思うだろうか。

  • 見込みありの大手上場企業で、"貴社のサービスに興味があるからぜひ一度弊社に来てくれないか" という提案
  • 既存顧客で、"このサービスのこの部分の使い方がわからないので来て教えてくれないか"という相談

企業の成長を重視しすぎると、既存顧客のことを置き去りにして(当人はそんなことないと言うだろうが)広告を出したり余計な機能開発をしていったりすることが発生する。そうしないと新しい顧客を得ることができないからである。しかしオンリーワン企業はそれよりも今使ってくれている顧客のことをより知ろうと努力し、その顧客のために機能を洗練させていく。

上記の質問はとても大事で、その現場にいる人全員が"既存顧客"を選べるような状況にないとオンリーワンになることは厳しいと思う。なぜなら前者を選ぶってことは、営業や広告に重点を置くって意味であり、先ほどのマスを取りに行こうとする考え方に近いものがあるからである。

改めて記すが、前者を選んでも決して間違いではない。人それぞれビジネスのどこに重きを置くかっていう話の例として捉えていただけたら幸いである。

終わりに

オンリーワン企業になって顧客と厚い信頼関係で結ばれた中でビジネスをする。そのビジネスで影響を与えられる人は少ないかもしれないけど、一部の人が幸せになれるならそれもビジネスとしてれっきとした大成功なんだと私は思う。

誰でもアクセスできるというインターネットの性質上、どうしても日本中、世界中ってことに目が移りがちだ。でもあえてインターネットの世界で老舗旅館を目指すのも面白いんじゃないかという仮説を立てて行動している。そしてその仮説は正かったと証明されつつある。