ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

失敗しない SaaS プライシング設定

ども、@kimihom です。

SaaS でのプライシングは悩みの種としてよく挙げられる項目かと思う。その中で基本的なプライシングにおける3つの軸について紹介し、それらを実際にどう設計/実装していくのかについてご紹介していく。失敗しない SaaS プライシング設計で正しいサービス運営をしていこう。

SaaS プライシング 3つの軸

まず本記事でいう 3つの基本軸は何かというと「機能」、「人数」、「利用量」である。

「機能」は、利用するユーザー層によって提供する機能を変えることである。SaaS のプライシングで最もオーソドックスな方法の一つである「プラン」による分類がこれに該当する。提供する SaaS のユーザー層によって必要になる機能は異なることが多い。起業したばかりの少人数の企業が、細かなレポーティングや機能のカスタマイズなどが必要なケースてのはほとんどない。それなのに大企業向けの高めのプランしかなければ、中小規模の企業はサービスをそもそも利用しないという選択をすることだろう。しっかりとプランを分けて、機能や使える量は少ないけどその分料金が安いものがあれば、多くのユーザー層が適したものを利用できるようになる。当然 より高度な機能を使いたいってなったらその分課金しないといけないってなるのでユーザーの納得感は得られやすい。

「人数」は利用ユーザー毎に毎月課金される形態だ。一般的には「ライセンス」といった言葉で表現されることが多い。その SaaS を使う関係者が多くなればなるほど、そのサービスの必要性は増すので、そのタイミングで追加の課金が必要になれば、追加で料金が発生するのも納得を得られやすい。ただしこのライセンスモデルは、複数アカウントがあるからこそのメリットを掲示できないと、いとも簡単にアカウントの共有ができてしまうので、提供する機能に影響を受けやすい。もしくはアカウント共有するまでもなく、1人でも5人でもそんなに気にならないくらい安い金額(1ユーザー500円程度)の料金体系にしているケースが多く見受けられる。

「利用量」は使った分だけ課金される形態だ。従量課金と呼ばれるこの形態は、ユーザーが何かを使った分だけ毎月かかる金額が変動するタイプである。従量課金は事前に決済される金額が予測できないので、事前に顧客には使ったらどのくらいお金がかかるのかを明快に説明できるようにする必要があるだろう。従量課金は使った分だけお金を払うという公平な金額設定なため、プランや人数など関係なく利用量だけでプライシングを展開できる可能性を秘めている。

提供している SaaS は何の価値を提供しているかが選定のカギ

これら3つの基本軸のどれかを選ばないといけないわけではない。必要に応じて、3つを組み合わせることができる。

例えば、「提供する SaaS の価値は多くのユーザーが使うことで初めて享受できるサービス」の場合、人数ごとの課金はさせたくないことだろう。気にせずたくさんユーザーを招待してもらって使ってくれるようにし、それ以外の部分で課金する形態を取ることになる。となると、プラン毎に機能を分け、サービスを使った分だけの従量課金にするという答えが導かれるかもしれない。

シンプルに単一のコア機能だけを提供する尖ったサービスの場合、使った分だけの従量課金だけで攻める方法が考えられる。これを単一プランで全ユーザー同一金額にしてしまうと、たくさん機能を使ったユーザーと、そこまで使ってないユーザーの間で不公平が生じてしまうためだ。それとは正反対に、毎月一定の金額を支払うことで利用する権利を得ているという考えであれば、不公平が起きたとしても気にしないというケースも考えられる。

プランに関しては機能で差別化する方法以外にも、スペシャルサポート等を提供する方法もある。とりわけ大きな企業を相手にする場合、最終的にすぐに連絡つく人がいるかどうかといった部分も大きなウェイトを占めたりする。今後、提供している SaaS でより裾野を広げていく可能性も考えられるので、プランの設計は最初は1つだったとしても、今後2つ3つと増えていく可能性があることを前提としてサービス設計をしていきたいところだ。

より詳細を知りたい方

2018/08/03(金) に東京で開催される JP_Stripes Tokyo Vol.8 で、今回の話を具体例を交えて登壇する予定だ。もし興味があれば参加を検討していただきたい。SaaS のプライシングについて共有される場ってのはほとんどない状況なので、議論できれば幸いだ。

JP_Stripes (Stripe ユーザーグループ)Tokyo Vol.8|EventRegist(イベントレジスト)

おわりに

今回は SaaS のプライシング周りで検討しなきゃいけない項目について簡単にご紹介した。

プライシングを正しく設定できないと、正しく料金をいただける場面でいただけない状況が生まれ、ビジネスの成長を滞らせてしまうリスクがある。サービスごとに正解が異なるってのと後で変えにくいという難しい課題ではあるが、慎重に設計していってほしい。

SaaSで激変するソフトウェア・ビジネス ~ソフトウェア業界を揺るがす破壊的イノベーション~

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