ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

サービスの業務連携で意識すべきこと

ども、@kimihom です。

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先日私の運営するサービスCallConnectで、地域電話(0ABJ)番号の取得・移設に対応した。

全国の地域番号(0ABJ番号)を継続利用が可能!フォースネット株式会社のFC-GW(エフシー・ゲートウェイ)は、合同会社selfreeの「CallConnect(コールコネクト)」と連携開始! | フォースネット株式会社 | プレスリリース配信代行サービス『ドリームニュース』

このリリースは、世界で初めて 「Webブラウザで電話をする WebRTC コールセンターにおいて東京03番号を使って非通知なしで受発信できる仕組み」だと自負している(もし執筆時点で他にあれば全力で訂正しますm)。今使っている 03 番号を電話機ではなく Google Chrome とヘッドセットで電話の受発信ができるようになる。そして Slack や kintone など、あらゆる Web サービスと連携することで電話とウェブの垣根をなくすことができる。

WebRTC コールセンター自体は世界中を見渡せば数多く存在する中で、なぜ今回のリリースが世界初だと自負することができるのか。それは、日本の電話回線との接続をサポートしたネットワークの仕組みを提供するのが今までできなかったからだ。そのため、あらゆるWebRTCコールセンターでは地域番号の紐付けのない「050, 0800, 0120」の3種類しかサポートすることができていなかった。さらに 0120 サポートも取得にはいくつかハードルがあるため、ほとんどの WebRTC コールセンターは 050か0800の2種類のみ提供するのが一般的である。

03番号は地域電話番号という種類で、東京にいることを証明する必要がある。また、既存の電話番号を WebRTC で利用できるようにするには国内の電話回線と接続するための仕組みが必要だ。今回の連携先である FC-GW は日本の電話回線を網羅しているということで日本にしかない強みになっている。海外で多くの WebRTC コールセンターがある中で、日本国内の電話網をサポートできる企業は数少ない。

今回のリリースでは入念な準備と検証によって出すことのできたリリースなので、個人的に意識したことを以下に記す。

お互いが汎用的な API として連携できるように実装

全国の地域番号を利用できる FC-GW は、他の WebRTC コールセンターを提供している企業でも実現できるような汎用的な仕組みになっている。なので今後 国内の他の WebRTC コールセンターでも、同様に地域番号が利用できるようになっていくことだろう。

これは両社と顧客のリスク分散って意味でも重要だし、汎用的にすることでビジネスの拡張性を得ることができる。実装において重要なのは、いかにして汎用的な連携の実装ができるかってところだ。デザインパターンで言えば「Strategy パターン」だ。

Strategy パターン - Wikipedia

SaaS をやっている場合にはとりわけこの Strategy 意識は重要になってくる。あらゆる SaaS の API のドキュメントを読み、連携を一つの Strategy として素早く埋め込めるようにする。私はこれまで 20サービス以上の API ドキュメントを読んで実装してきた。そんな経験をしていくと、どんな API がよくてどんな API がイケてないかってのもわかってくる。

www.bokukoko.info

積極的にテストに協力する

今回は特に 03番号を WebRTC で利用する需要があったので、他のコールセンター事業者さんでも利用できるようになる汎用的な技術であっても積極的にテストに協力した。そのおかげでリリース当日に連携を公開して、世界で初めて 03 番号を WebRTC で提供することができるようになった。

最終的にこの活動は業界としても効果が出るようになると考えている。WebRTC コールセンターにおける一つの時代の発展に寄与することができたと考えれば誇らしいことだ。

これに似た話を別の業界で聞いたことがある。何の食材だか忘れたけど某国内 No.1 の食品メーカーが、とある食品の作り方で革新的な方法を編み出したことがあったそうだ。その会社がすごいのは、作り方を企業秘密にしたのではなく、その食品自体を盛り上げるために作り方を競合企業へ公開したらしい。結果的に革新的な旨味を作り出す方法が業界として普及し、業界全体としてその食品の売り上げが伸びたというエピソードがある。私はこの話がすごく好きで、業界 No.1 らしい勇ましい行為だと素直に感動した。

私のモチベーションは全く同じだ。私も(自称) No.1 を自負して積極的に技術を公開していきたい。WebRTC コールセンター自体がまだまだこれからって段階の時に、この03番号をブラウザ(WebRTC)で受発信できる仕組みをウチだけのクローズドにしたところで、 WebRTC コールセンター自体が一般的に広まらなければ意味がないのだ。「ビジネスフォンを会社に置くことが当たり前」っていう風潮が残り続けてしまい、WebRTCコールセンター自体が普及していかないってのが最悪のシナリオなのである。

企業秘密にせず、積極的な情報発信をこれからも意識していきたい。

終わりに

お互いの SaaS を連携するって場合には、汎用性を意識するようにしよう。そして新しい API を使う場合には今後使う企業のためにも積極的にテストに協力しよう。

そうしてできあがった 03 番号を WebRTC コールセンターで利用できるようになった今回のリリースは、業界として大きな一歩になったに違いない。

普段このブログで書いている技術やサービス開発だけでなく、業界の先頭としても「ついて来いよ!」と胸を張って言える立場であり続けたい。私はこれからも新しい挑戦を続けていく所存である。

プラットフォーム革命――経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか

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