ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

SaaS 運営における決済周りとその先の話

ども、@kimihom です。

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この記事は、Stripe Advent Calendar 2018 の23日目の記事です。

adventar.org

Stripe の使い方とかは多くの方が書いていただいているようなので、今回は SaaS 運営しているときに意識していることっていうテーマにしてみた。いくつかトピックに分けてご紹介していこうと思う。

値段よりもプラン

SaaS では特定の "機能" が本当に全員に必要かどうかってところのジレンマを抱えることがよくある。あらゆる規模や業界の顧客がいる中で、最適な機能や値段を検討する必要が出てくる。少人数しかいない企業で権限周りや大規模データ処理、分析などの機能を使うかって言ったらなくて全く問題ないケースの方が多いだろう。単一のプランのみを提供している場合、これがネックになってしまって "あの顧客では必要だけどこの顧客ではいらない" みたいな取捨選択を常に強いられることになる。PaaS とか API のみを提供するような企業では、純粋な Pay as you go(従量課金) な料金体系を築けるのだけど、SaaS で単一プランや従量課金のみってのは上記のような課題もあってなかなか難しいように思う。

ということで CallConnect でも 3つのプラン(Starter/Basic/Pro)を提供している。それぞれ明確に利用想定を分けており、顧客自身が最適だと思われるプランを選んでいただくようになっている。とりわけ今年は Pro プラン(コールセンターニーズ) の機能開発を意識した。もちろんベースとなるコア機能(通話)が最優先ではあるが、それ以外でより大規模な組織で便利に使っていただけるような機能開発をしていった。

これは多くの SaaS が通って行く道だろう。少人数の組織は多くの機能を求めていないケースの方が多いから、リリースした直後だとしてもコア機能だけでニーズを満たしてくれる。でも大きな組織になってくるとそういうわけにはいかなくなってくる。

そこで大規模向けの開発をすることで、以下の2パターンに対応することができる。

  • 小規模の顧客が成長して大人数向けの機能ニーズが出てきた
  • 新しい大人数を抱える組織が導入を検討していただいた

とりわけ1つめの既存顧客が成長して出てきた課題に対応するってのは大事になるだろう。もしプランを分けずに断固として単一プランを提供し続けると、「サービスを通じて成長してくれた企業」というまさにロイヤルカスタマーなお客さんを見放さないといけなくなってしまうことが起き得る。他の SaaS でより最適なプランがあることが出てくるからだ。SaaS は簡単に他に移れる特徴があるので、顧客のどんなフェーズにおいても最適なプランと機能を提供することが求められる。

決済失敗や手数料にシビアになる

それなりに顧客を抱えるようになると、手数料ってのが無視できないくらい高額になってくる。今年は決済手数料をいかに下げるかってところも意識した。というのも、CallConenct の場合 "通話料" はそのまま 電話回線元 へ支払う必要があり、プランの料金とは別で多くの決済が必要になるという特徴がある。それだけで何十万って金額になってくると、手数料がそのまま会社の費用として負担しなければならず、なかなかの金額を手数料(1~2契約と同額レベル)で支払わなければならなかった。ものすごく多く通話をされたお客様が決済に失敗すると、それだけで財務的なリスクが出てきてしまう。今年はこの影響を抑えるために、一部の大量に利用されるお客様には電話回線元へ直接支払っていただくようなフローに変えていただくようにした。来年も、この大額決済をどう抑えていくかってのが課題になりそうである。

とはいえほとんどの SaaS の場合は単にサービスの使用料だけをサブスクリプションで決済して、それがそのまま利益になるから問題になることは少ないかもしれない。もしそれ以外の原価をサブスクリプション費用に上乗せしている場合には、こういう課題が起き得るので注意しよう。

継続!継続!継続!

もう SaaS では当たり前のことのように言われているけど、顧客の利用継続が何よりも大事だ。純粋にこれは手厚いサポートだとかの文面(カスタマーサクセス)で語られることが多い。もちろんそれは継続において大事なことの一つだが、それだけではないことは明らかだろう。

最近 もてはやされている SaaS だけど、実は時間とコストを分析してみると自社でエンジニアに同じようなシステムを構築してもらったほうが安上がりで最適なものを運営できるケースも出てくる。また、先ほどもあったように他の SaaS のほうが理想的なプランと機能を用意していたということも出てくる。そこで大事になってくるのは金額や機能以外のプラス@の要素だ。

  • そのSaaS を使うことで目に見えて"成果"が出ている (統計レポート等)
  • 他の成功事例と同じように成長できる方法を"学習"できる
  • 感情的な部分 (純粋にそのサービスが気に入っている)

他に何があるだろう?

もはや決済とかの話ではない。金額以上の価値をサービスとして提供できないか、常に考えを巡らせなければならない。私の次のチャレンジはここにある。

終わりに

今年の SaaS 運営において決済に関わる部分と、その次について目指していることをまとめてみた。

決済ってのはあくまで SaaS を運営する上で必要な要素の一つに過ぎない。SaaS 運営者はその先にある顧客の成功を考え続ける必要がある。だからこそ SaaS は面白い。

Stripe はそこを把握してるのかどうなのか定かではないが、以下のようなドキュメントを無償で公開してくれている。

stripe.com

来年も SaaS を盛り上げていきましょう。