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個人開発に関するテックブログ

2つの Web サービスを提供する理由

ども、@kimihom です。

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ご存知の方も多いかと思うが、私(弊社)は2つのサービスを提供している。

www.callconnect.jp

www.wellcast.in

Web サービス開発でよく言われる話としては、「1つのサービス開発運営に集中しよう」とある。そんな中、なぜ私がこの2つのサービスの開発を続けているのかについて、理由をまとめてみる。

同じテクノロジーを極める

CallConnect と wellcast、全く違うサービスに見えて、実は裏側で動いているテクノロジーは全く同じだ。キーワードは「Twilio」、「Heroku」、そして「WebRTC」だ。ここ5年以上、私がひたすら磨き上げ続けている技術分野である。

CallConnect で WebRTC を実際にビジネスとして提供していると、様々な問題が発生する。

  • 利用ブラウザ(IEなど)で電話(WebRTC)が使えない
  • ネットワークの不安定さによる通話品質の悪化
  • "同時に" 何かをやった時の挙動

wellcast では、これら WebRTC をビジネスでやる上で発生するあらゆる問題を経験した上で、Webビデオシステムとして提供している。wellcast の開発やテストに際しては、ポイントを絞って徹底して行われている。wellcast は CallConnect の開発を経験した私でなければ、作ることのできなかったサービスだと自負している。

また、wellcast でも「音声」は非常に重要なテーマだ。今は CallConnect で得られた音声技術を wellcast に注ぎ込んでいるが、ゆくゆくは wellcast で得られた音声技術を、CallConnect にも適用するといった改善が行われる予定だ。こうした相互の開発において、それぞれをよりスピーディに、より正確に改善させていくことができると考えている。

サービスをシンプルに保ち続ける

サービス開発の一つの選択肢として、「1つのサービスに機能を注ぎ込む」ってことがある。私のサービスで言えば、「CallConnect を電話だけでなく、ビデオ通話もできるサービスにしよう」といった具合である。

裏の技術的には同じなんだけど、私はサービスの機能をどんどん追加していって複雑にすることを良いとは思わない。単に電話の機能を使いたい方が、そこにある全く使わないビデオやチャットの機能が画面に出続けるというだけでもストレスだし、全く使わないのに追加の料金を支払うということにも納得がいかないと考えている。

CallConnect といえば "ブラウザ電話" で、wellcast といえば "Web ビデオ"。サービスの印象を覚えてもらって、その印象に恥じないシンプルな機能提供を、これからも続けていく。

機能の豊富さとしての課題解決として、今後 CallConnect と wellcast を連携して、より便利に使えるようにできたら良いなと思っている。どちらか一方を使うだけでも便利だけど、両者を使えばもっと便利になる。2つのシンプルなサービスを提供しながら、連携として機能を提供することで、そうした未来を描くことができる。

自分たちが使うサービス

CallConnect と wellcast に共通する点として、「私たちが必要だから作った」というのがある。会社を始めたての頃、電話があることが原因で、それぞれがリモートで自由に働くことができなかった。また、電話のログを残せず、誰が何を話したのかが完全にブラックボックスになっていた。それでも顧客サポートのチャンネルとしての電話の大事さをわかっていたので、電話をなくすという選択ではなく、電話を改善するという選択をしたのだった。

しばらくして多くの顧客を CallConnect で抱えるようになり、CallConnect の顧客に対して新機能のお知らせや、実は知られていない便利な機能などを紹介したいという思いが強くなった。そんな中で当時は "ウェビナー" 自体 メジャーではなかったけど、リモートで顧客に伝えるという CallConnect に似たモチベーションとして開発が始まった。

今では wellcast でウェビナーを開催するだけでなく、社内の朝と夕方の定例ミーティングでも wellcast を使っており、今後はリードや顧客との個別面談でも wellcast を積極的に活用していく。

私たちが必要なものを、私たちで作る。そんな単純なモチベーションが、2つのサービス提供の大きな理由となっている。

終わりに

もちろん、1つのサービスだけに集中すれば機能開発も先に進むことができるけど、その分 視野を見失うことにもなりかねないし、サービスが複雑になるリスクもある。

私は 1つのサービスを提供し続けるだけでは得られないメリットを、2つのサービスを運営することで得られている。

今後も 2つのサービスの成長に期待しておいて欲しい。その期待を裏切らない開発を、これからも続けていく。