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ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

スタートアップは始めてから3年間は投資を受けるべきではないと思う

スタートアップ

ども、@kimihomです。

最近のスタートアップと言われると、どんなイメージを持つだろうか? 大抵の方々はメディアを通じてでしかスタートアップを知らないから、「〜百万の資金調達」とか、「〜コンテストで優勝」だとか、そんなニュースしか聞かないと思う。彼らは大きくスポットライトを浴びている。自分もいつかはああなりたい。そう思っている方もいるかもしれない。

今回はそんなトレンドに一言申したい。


"スタートアップを始めるなら、投資を受ける" みたいな風潮が当たり前になってきたのはいつからなのだろう? 最近はあらゆる投資部門が立ち上がり、日々次なるスタートアップを探し当てている。そして投資家が審査員のコンテストで、投資関連先の企業を優勝させて知名度アップさせる。スタートアップコミュニティが出来上がり、熱い場を作り上げている。

本当に成功した企業を思い浮かべてほしい。Google, Apple, Amazon だって綺麗なオフィスではなく自宅のガレージ裏で始めたし、Github も創業してから4年は投資を受けずBasecamp は自己資本だけでサービスを成功させた。日本でも楽天はひたすら営業をかけて顧客を獲得していったというストーリーがある。他にもCookpad は初めはサイドビジネスをやりつつサービスを育てていった。最近だと pairs など運営するエウレカなどが事例としてある。

反対に日本で早々に出資を受けて成功したスタートアップで思い浮かぶところはどこだろう?上場ゴールと言われずに、今もなお輝いている企業があるだろうか?残念ながら私は一社も思い浮かばない。

ネット業界のスピードに関して

ネット業界はスピードが速いから、速いうちにスケールさせないとすぐに追い抜かれる。だから金と人を一気につぎ込んで、成功させるべき。 今の時代、もはやこの考えが染み付いた人たちのことをスタートアップと呼ぶのかもしれない。だが現実はそうではない気がする。むしろ早く成長させすぎて息が止まり、自滅するのがこのパターンなのだ。一気に人と予算をつぎ込んで成長させることで、サービスの品質を継続的に良くすることができず、サポートが曖昧になり、ユーザーが離れていく。投資を受けた金額で人をたくさん雇ったものの、人件費に見合った成長ができず、キャッシュが尽きて会社が終わる。会社の金がどんどんと溶けて無くなっていく姿は出資を受けたスタートアップなら誰もがキツイ思いをする。次の投資を受けるべく、顧客のことを見ないで投資家に説得できるような数字ばかりを考えるようになる。

そもそも人をどんどん雇ったところで、開発スピードが劇的に上がるはずがない。人をマネジメントするというコストが増えるし、複数人で開発するにはコードレビュー、設計の意思統一などあらゆる手間が発生する。逆にそれでプロダクトの品質が悪くなることもある。

そんなんで本当にいいサービスが作れるのだろうか?

一時期、サービスローンチ当初に乗ったTechcrunch が一番の晴れ舞台だったっていうスタートアップが続出するのがこのパターン。

他人の金を使うか、自分の金を使うか

結局はこの考え方に尽きる。他人の金だと使う判断基準がずれる。本当に金を使うべきところを間違え、手当たり次第ユーザーを獲得するために金をばら撒いてしまう。だからスタートアップをやるなら最低3年は生きられる自己資本を貯めておくべきだ。その貯金もせずに遊んで金を使って、それで起業時に全く自己資本がないとかを言う人を見ると、本当に起業する気があるのかと疑いたくなる。

自己資本なら"自分の金"を事業のどこに使うのかを判断しなければならない。これは本当に慎重な判断で、できる限り使わないようにするだろう。実は "お金のかからない範囲で頑張ること" って、スケールしないことであり、スケールしない努力こそが、スタートしてから間もないサービスにおいて最も重要なことだったりする。具体的には一人一人とあってサービスを説明し、説得するようなプロセスだ。他人の金がある状態で、創業当初の楽天のような、1件1件店に出向いて営業するなんてことが果たしてできるだろうか?

他人の金があるなら楽してユーザーを獲得したいもの。いきなり広告を打つとかやりそうだが、それは金をドブに捨てる行為である。

正しい判断を自己資本で経験を積んだ後(これが3年)に、出資を受ければ他人の金でも正しい判断ができるようになるだろう。

本当に顧客を見れるのか

「ピッチ」と言えばスタートアップなら誰でも知っているワードだろう。だがこのピッチが、サービスの成功と何のつながりがあるのだろう? この場は結局投資家を満足させるために数字を羅列するのが目的である。

比べてみてほしい。あなたは、資料作りとか練習に時間を当てるのか、顧客の声に耳を傾ける時間にあてるのか。本当にしなければならないことはどちらだろう? 前者は、大企業で上司に新規プロジェクトをやりたいですと説得しているのと何ら変わりがない。なぜスタートアップなのに大企業と同じ非効率なことをしなければならないのだろうか?

お金を出してもらった人たちのいうことを"アドバイス" とも受けられるかもしれない。だがそれが資金が危うくなるといつの間にか"命令"になる。「〜の方針で行かない限りは次の投資はしない。」そういうことを言われる。 こんな状況になるくらいなら、初めっから大企業で新規プロジェクトを始めた方がよっぽど良かったとなる。

初収益の喜び

自己資本で始めた自社サービスで、初めてお金を払ってくれた顧客が現れた。その時の喜びは決して忘れられない経験となる。さらに一部のユーザーが熱狂的なファンになってくれて、そのサービスを感謝してくれるようになると、本当に今までやってきたことは間違ってなかったなと心から思える日が来る。そうした1件1件を大切に思えるようなことが自己資本なら可能だと思っている。

無理な目標を投資家の前に掲げてしまい、その数字に毎日追われて激務になる。人件費と見合わないから、まだこの程度だとしか思わなくなる。そんな状態で獲得した1ユーザーは「たった1ユーザー」としか見れなくなる。

今後のサービスの質が、そうしたことで変わっていくのではないだろうか。

終わりに

最近は学生起業だとかもスポットライトを浴びるようになってきたので、こういう考え方もあるんだよということを知ってもらえたら嬉しい。学生起業だとしても自己資本でやっていくくらいの意気込みがあれば私は学生のうちに起業しても良いと思う。

こういうことを誰かが言わないと悲しい思いをするスタートアップが増えるような気がしたので、今回思い切って書いてみた。ま、色んなところから反論されるんだろうな。