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個人開発に関するテックブログ

哲学の扉を開けてみて

ども、@kimihom です。

最近は休憩時間にひたすら図書館で借りた本を読んでいる。今回は哲学についての本。

高校のときに実は哲学の授業があって聞いてたんだけど、何一つ頭に残っていなかったw ということで新鮮な気持ちで哲学を入門してみた。

我思う、ゆえに我あり

哲学での有名なフレーズ。哲学の基本は全ての事柄に対して、疑問を投げかけることから始まる。会社に行く意味はあるのか?学校に行く意味はあるのか?通勤するのに意味があるのか? などなど。 それを突き詰めていった末にかつての哲学者が行き着いたのが、「考えることに意味があるのか?」ということだった。つまり、自分が考えるから自分がいる、っていう哲学の最終段階的な問いつめがこのフェーズだそうだ。

でももっと究極を言えば、生きていることに意味があるのか?という疑問だ。この本では、生死について詳しく書かれていた。生きていることが全てにおけるコンセプトの根っこに位置する。

疑うための方法

日常のありとあらゆる行為に対し、その流れから身を引き上げ、そこの外から流れをもう一度見直してみるという手法がある。これをフッサールの「エポケー」と言う。例えば、手について考える。手をロープで縛って何もできなくすると、なぜ手が必要なのかがわかる。まぁ当たり前だが。その他のことも同様で、それを一旦できなくさせてみて、そしたらそれの存在価値がわかるというやり方だ。

この疑うことにより、真理が見えてくる。

不安

平地で2メートル先のところへジャンプしろって言われたら、普通に誰でもやろうと思える。ただ、その間にとてつもなく深い崖があって、その2mを飛べって言われたら、誰もが躊躇する。これはもしそこに落ちたらどうしようと言う最悪のパターンを考えてしまうからだ。それが不安。反対に言えば、その不安は想像力が豊かな証である。成長の一つの試練である。そしてもう一つ存在するのが夢だ。夢を抱くからこそ不安もあり、不安だからこそ夢を強く持たなければならない。

所感

今まで生きてきた中で、この人は何かスゴイと思った人は何故か哲学を好んでいたので自分も読んでみたが、結局はなぜ?を突き詰めることが好きな人が哲学に向いているということなんだな。 そういう意味で哲学は全ての学問に通じるものがあり、哲学は人々の知の好奇心によって成り立っているんだなと感じることができた。

自分は・・。うーんそこまでまだ深く考えられないなぁ。

日本のブルーオーシャン戦略を読んで

こんな本を手に取り、読んでみた。

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く

ブルーオーシャン戦略の特筆すべき例として、「任天堂Wii」を挙げていた。あの製品は従来のゲームは若者がするもの、という常識を覆し、家族みんなでという新しい層を生み出した。また、従来のゲームの追求する先(レッドオーシャン)だったゲームの画質などのコストをできる限り抑え、その方向性よりも、より起動を早くしたり、掃除の際に邪魔にならないような作りにしたりといったターゲットにあったこだわりを作ることでPS3の2倍以上の売上げを得ることができた、というエピソード。

まさにブルーオーシャンとしての成功例ではあるが、一般企業が確実に、ブルーオーシャン戦略を成功させるにはどうしたらいいのか。そのためにはしっかりとした事前調査と、バリューについて考える必要がある。

その分野のバリューは何か。人は何を基準にそれらの製品を選ぶのか。その軸となるものをできる限り挙げ、競合と自社がそれぞれどのような立ち位置にいるのかを把握する。もし似た位置に他の企業がいれば、それはレッドオーシャンの泥沼にハマりつつある証拠となる。ブルーオーシャン戦略を実施するためには、どの価値を下げたり、消したりして、"今までに無かった評価軸を追加するか"ということに重きを置く。この新しい評価軸ってのが大事で、これを従来の顧客の軸として考えるのではなく、今までその製品を使っていなかった顧客層を中心に考え、彼らに共通した軸を探し出すことが必要になってくる。そのためには今まで使ってこなかった顧客層をしっかり観察し、彼らはそれらの代替として何を使っているのか、そもそも必要としない理由は何なのかといったことを調べる必要がある。

そうして見つけた新しい評価軸を元に新しい製品を考える。コストは彼らに最も見合った金額で設定する必要がある。その後に必要なコストをそれに見合うようにしていくが、そこで従来大事だった評価軸を削っていかなければならない。ブルーオーシャン戦略は顧客層も広めるし、値段も低コストで提供することに意味がある。

そういう意味ではビール業界はかなり色々な戦略を立ててやっている印象を受ける。通常のビールだけでなく、ノンアルコールであったり、高級ビールであったり。そこら辺はかなりマーケティングがしっかりしている印象を受ける。その反面、携帯電話業界はどうだろう。ひたすら訳のわからないオプションを付けまくり、ただただ煩わしく、独自性もほとんどない。もっとブルーオーシャンで攻められる携帯が出てきても良いように思う。

マーケティングの考え方として面白い点がいくつかあったので、良い本だったと思う。今回は移動における評価軸について、コネクシィのブログ

移動における"価値"を考える | The Connexi Times

にまとめてみた。まだまだ荒削りなのでここはもっと突き詰めて考えていきたいところだ。

Think Simple アップルを生み出す熱狂的哲学

スティーブ・ジョブズがアップルをどのように変えてイノベーションを生んでいったのか、のお話。

まず前置きとして私は熱狂的Apple信者ではないことを付け加えさせていただく。

シンプルであること

この"シンプル" というのはアップルのこれまでの道のりにおいて全てを凝縮したような言葉だ。本書ではジョブズの側近で広告を担当した著者がそのエピソードとともに綴ったエピソードである。

まずシンプルを信じ実践すれば、

あなたは変化を生み出す側の人間になれるし、チームのメンバーを正しい道に導けるし、会社において価値ある人間だと証明できるのだ。

とある。なるほど、あそこまで成功したアップルが貫いた哲学がそうであるなら、そうなるであろう。ではどうすればシンプルであるようになれるのか? それは言動だ。

スティーブは自分が実行している率直なコミュニケーションを他人にも求めた。もってまわった言い方をする人間にはがまんできなかった。要領を得ない話は中断させた。時間は貴重でムダになどできないというスタンスでビジネスを動かし、それはアップルの現実をよく反映していた。

まさにこれは日本で言う「空気を読む」という言葉を一蹴する内容だ。出る杭は打たれる。何か尖ったことをしようとすると既存利益に授かったものたちが一斉にその杭を打つ。だから周りに合わせて行動することが無難でよいと推奨される世界。そこからは何もイノベーションは生まれない、ということだ。

本書の中で特に目立った、シンプルで攻めて成功するための条件があった。

あなたの組織に才能のある人材がいるならば、シンプルさのルールを重視することで、コストは下がり、仕事は早くなる上に質も上がるはずだ。そしてもっとも重要なことに、効率も良くなる。

この「才能のある人材」というのがシンプルな組織で成功するための秘訣だ。その才能のある、というのはどういうことなのだろうか。私は自らが自らの意志でより改善できる道を提案し、それを実行に移す能力だと考える。そうすればルールが無くても常に良い方向へ改善していくことができる。

だが一般的な組織のあり方として、「マニュアルや仕組みをつくり、一定水準の誰でも行えるように定式化すべき」とある。フランチャイズなどの店舗はいい例だ。アップルはそうではなく、一部の有能なメンバーのみで重要な会議を開き決定し、実行するサイクルを生み出していたのがよかったのではないだろうか。

以前アップルにつとめている方の話で、当日になるまでどんな製品がでるのかすらもわからない、と嘆いていたことを聞いたことがある。情報共有は必要最低限で他の余分な人へ情報は共有しない、というのも確かにムダの排除・シンプルにつながってくる。

そしてシンプルさを決定づける最も重要なことを本書ではこのように記している。

シンプルさを追求するには、あなたの行動と言葉の全てに浸透しているコアバリューを持たなければならない。

生まれてから今までで、自分は何を基準に行動して生きてきたのか?これは私の経験ではとある重大な失敗や大きな成功から生まれてくるものが多いように思う。それを「自己分析」して自分とは何かを突き詰めてみる。会社も同じでこの会社はどんな軸で行動していくのか?それを念頭においてビジネスを進めていけば重大な選択に迫られた時でもシンプルな回答が得られるのだ。

その他エピソード

本書の後半は「この場面でジョブズはどう感情を表し行動したか」が記されている。

読んでいるうちに、これは聖書に似ていると感じた。ジョブズという神が目の前のものに対してどういう哲学で行動したのか。その事例が所狭しと書かれている。

そのため私は後半はあまり読む気力が起きなかった。あらゆる事例があるものの、ジョブズの根幹にある「シンプル」という哲学に基づいて行動した結果しか書かれていないからだ。

それならもう自分のコアバリューを探し出すことに集中して自分がシンプルのもとに行動できるようにしたほうがいい。

所感

前半は Apple の Why について書かれており大変興味深く読ませていただいたが、後半は What が多く、少し読み飽きる部分があった。 流されやすい時代において、コアバリューをもとに行動する事の大切さを教えてくれた一冊だった。