ボクココ

サービス開発を成功させるまでの歩み

SaaS の機能は横を広げるより奥を深めるべき理由

ども、@kimihom です。

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私は奥深さのあるサービスが好きだ。奥深さのあるサービスにはロマンがある。本記事ではそんな奥深さのある SaaS について持論を展開する。"SaaS" とタイトルに記したが、別に SaaS に限る話でもないかもしれないので、サービス開発者の方に読んでいただけたら幸いだ。

横に広がるサービス

横に広がるサービスってのは、機能を増やすごとに単純にメニューを増やしていくような特に何も考えてないようなサービスのことを指す。私たちが普段使っているサービスでも、大量のメニューがあるようなサービスをいくつか使っていることかと思う。

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このようなサービスがイケていないのは、「人によって全く使わない項目が、常に表示され続けてしまう」という可能性を常に孕んでいることだ。皆さんは大量にメニューがあるサービスの中で、本当に使ったことのあるリンクは今までいくつだったろうか。大抵の場合、大量メニューのうちの数個だけだろう。それだけサービスを使う目的ってのは人によって単体機能である場合が多く、それ以外のは無駄にある単に複雑にさせているメニューに過ぎないのである。

いろんな成功しつつあるサービスが、上記のようなパターンに陥ってしまうのは、未来のユーザーが使ってくれる機能を開発する必要があるからだと考えられる。今のユーザーにとっては不要な機能でも、例えば業種や企業規模によって新しい機能が必要になってくる。そんな時はユーザー獲得を急ぐあまり何も考えずに単に機能追加という無駄な働きをしてしまうのである。

当然、この方法でうまくいっているサービスもある。でもそれは多くの人に使ってくれるかもしれない可能性を持っている替わりに、ほとんどの人にとっては最高のサービスではなくなっていることを意味する。使っている全ての人が60点くらいなサービスでも、使い続けてくれればいいって考えなら悪くはないだろう。

でも本当は、全ての人が90点以上の評価を得られるサービスを作りたいと思わないか。私は作りたい。

奥を深めるサービス

奥が深いサービスってのは、最初ユーザーが見たときには実にシンプルなサービスに見える。大量のメニューもなく、やるべきことが1つや2つ程度しかないため、誰でも迷うことがない。そして、特になにもしなければ、そのままの状態でも十分便利に使えるサービスなのである。

ただし、ユーザーによってはもっと柔軟に使いたいとか特定の機能が欲しいといったケースが出てくるだろう。その場合には、ちょっとしたテクニックによってまるで魔法のようにその機能を実現できてしまうのである。その魔法のような体験によってユーザーは感動し、そのサービスを人に紹介したくなるレベルにまで持っていかせる。

誰もがイメージしやすいように例を挙げるなら、やはり Slack になるだろう。私たちは Slack というチャットツールを、普通に入力してメッセージを読んで便利に活用することができる。Slack でちょっとでも奥に目をやると、その先に広大な自由が存在することを目の当たりにするだろう。Slack にはコマンドと呼ばれる、"/" で自由にチャット機能を拡張できる機能が用意されている。これで例えば、来週の月曜朝9:00に特定のメッセージをリマインドしたいってなったとしても、"/remind ~~" とタイプするだけで実現できてしまう。それは、今までSlack のテキストエリアに入力した感覚と同じように、文字を入力するだけでその自由を手にすることができるのだ。

私のいう"奥の深さ"ってのはこれのことだ。適当な人が Slack を作ったなら、先ほどの画像のように、左に大量のメニューが出てくるサービスになっていたことだろう。そしたら今の Slack のような爆発的人気は絶対に無理だったと断言できる。人は Slack のシンプルさと、その奥深さに心打たれ、熱狂的なファンとなり世界中にユーザーを抱えているのだ。

このような奥深さの持つサービスは、今後の SaaS のトレンドになると思う。最初は誰にでも使えるようにしておいて、より深くサービスを"学ぶ"ことで更に便利に使える。そこには、今までとはちょっと違った SaaS 運営者の能力が求められる。それが「ユーザーの教育」だ。

SaaS 利用者を定期的に 教育 する

今までのような大量メニューのあるサービスの場合、何かやりたいってなったときにサービスのメニューを苦痛を伴いながら探すか、検索して探してもらう、サポートに問い合わせるといったことで対応してきたことだろう。だからこそ FAQ や メールサポートなどが活躍し、そのための サポートサービス が現に多くの企業に使われている。

でも、私のいう奥深さを実現したサービスはそれでは対応不可能だ。そもそもユーザーがその使い方に気づいてもらう必要が出てくる。だからこそ、そんな奥深さを実現したサービスは、ユーザーを教育していくことが求められてくる。Slack を例にすれば、"/ を打ってみてください。そこには Slack をより便利に使える新しい世界が待っています"ということを伝えなければならないのだ。

そんなサービスには教育が必要だ。他の言い方をすれば、今までの FAQ や サポートってのはユーザーの -1 を 0 にして解決する力が求められていたが、教育では 0 の状態を 1 に持っていくという挑戦である。ここまで話したら、そのための何かいい方法はないだろうかってなってくるよね。

これが私の次なる挑戦である。ユーザーを教育する: 0を1にしていくために、私はウェビナーのようなリアルタイム配信に今注目している。リアルタイムで多くの方に新しい使い方に関する動画を視聴してもらい、何かあればチャットでその場で解決して他の視聴者にも新しい気づきを与えることができる。東京でセミナー会場をわざわざ借りて都内にいる人にだけ説明するのではなく、日本中/世界中にいる人たちに対して一気に新しいことを学んでもらう機会を生み出すことが可能だ。

終わりに

今回は SaaS に対しての私の一つのこだわりについて記した。

奥深さのある SaaS を私はこれからも目指していきたいし、そんな SaaS があったらぜひ課金してまでも使ってみたいと思う。そこには奥があるという知的欲求のロマンがあるからだ。

もし読者の方が SaaS を設計/開発するのなら、この奥深さについてぜひ考えてみてみて欲しい。