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個人開発に関するテックブログ

スタートアップが長時間働いて得られるものはないって話

ども、@kimihom です。熱海で温泉入って扇風機の風を浴びながら本記事を執筆している。

スタートアップの通説

よくまぁ成功したスタートアップや投資家てのは「寝る間も惜しんで仕事をした」みたいな話を美談のように話をし、若い経営者にそれを強いるようなことをしているところを聞く。一般に「雇われて働かせられている」という感覚より「夢の実現のために働く」ともなれば、仕事よりも夢の実現のために働くって感じがして違うモチベーションがあるのかもしれない。そうして激務を日常化することで、内容はどうであれイグジットまで持っていきたいという考えなのだろう。そのあとの企業や働く人々の生活なんて、その方々にはどうでもいい話なのだから。

さて、エンジニアに関して見ればなおさらだ。ひたすら開発プログラミングに明け暮れてリリース。そのあとも機能開発をひたすら行っていく。こうしてみるとひったすらサービス開発ばかりしているようなパターンになっていくだろう。これはどんな業界のエンジニアでもよくある光景だ。

それで確かに成功?(何を持って成功とするかは人次第)するかもしんないけど、それで得られるものは何なの?ってのが今日のお話。

激務が日常となった企業の今後

はてさて、激務が文化な会社が幸運にもそれなりにうまく軌道に乗ったとしよう。そしたら「あんなに激務したから成功したんだ」って話をして、この記事を否定できるだろう。ただ、その会社には「激務」という文化が醸造されていることを知らなくてはならない。"何かあったら常に激務で解決。" そんな企業文化だ。それは後に社員を迎え入れたところで変わることはない。つまり、後から入ってきた社員も、その文化を強制させられるのである。それでも全員が身を削りながらも事業が成長できるかもしれない。もうその時点で生きる幸せって何?状態に入るわけだ。その会社にいれば給料も高いし皆が知ってる企業になれるかもしれない。ただその当事者である働いている方々にとっては得られるものは世間体だけで、何もいいことがない。休日にストレス発散の全てを使うような会社にいることになる。

いや〜悲しいね。でも現実問題、そんな企業ばっかりだよほんと。スタートアップっていう人数が少ないうちに激務が当たり前になったら、ゆくゆくはそういう企業になるものなのだ。

もっと賢く幸せを追求できる会社を

夜10時を過ぎても普通に働いているドキッとした皆さん。ここで改めて考えてみてほしい。

エンジニアってそこまで開発に時間をかける必要があるのだろうか。もっとスマートに解決できる方法はないだろうか。それを作ったところで、本当にユーザーに価値を届けられるのか。私たちエンジニアは技術だけじゃなくて、そういうことをもっと真剣に考えなければならない。プログラミングだけできればいいという話ではない。これから自分の作るものの価値を考えられるエンジニアにならなければならないのだ。

そしたら自分が開発しなければならない時間は本当に大切な機能開発や改善のみになる。それ以外の時間は自分を磨く時間に割り当てることができる。自分を磨く時間に何をやるのかってのがとても大事だ。これにはいろいろな方法がある。本を読んだりブログを書いたり、違うプログラミングを書いてみたりといった時間だ。このような時間がさらに自分を成長させ、本業のサービスの価値をより高みへと導いてくれる。ずっと自社サービスのプログラミングしかしてこないようなエンジニアの上を行く開発ができるのである。自分磨きの時間って本当に大切で、それをどれだけ確保できるかで今後の自分のスキルや運営するサービスの明暗が分かれてくる。

自らが成長できるような文化が醸造された企業はどうなるか。それぞれがそれぞれの専門分野を持ち最強メンバーを構築することが可能になる。問題が起きたとしても何でも激務で解決するようなことはせず、どういう方法が最もスマートに解決できるのかを自らが考えられる集団にすることができる。要は頭のいい組織を作れるってわけだ。頭のいい人は、頭のいい組織に入りたくなるもの。そうやってどんどんその集団は外からも最強集団を迎え入れることができるのである。それと同時に、自らの幸せにフォーカスを当てて仕事ができる素晴らしい組織ができあがるのだ。

スマートな組織はとにかく人・人・人で解決するようなことはしない。たくさん人を招き入れた分だけマネージするコストが発生する。それよりも少数精鋭で答えがすぐに出る環境の方がいいと知っている。少人数だからあまり目立つことはないのだけど、実際には最強メンバーだけが所属するような会社ってのは存在する。私はそういう会社 (Small Giants)に憧れているのである。

まとめると、スタートアップが長時間働いて得られるものはない。じっくりと考えて本当に必要な最低限の機能だけを開発し、それ以外を自分を成長させるための時間に費やそう。それが最強メンバーを作り出す"文化"のベースとなってくるのである。

終わりに

今回の話も、結局あなたにとっての成功ってなんなの?ってのがベースとしてある。その答えが「大企業の社長になって一躍有名になりたい」ってんだったら激務を文化として作り、社員を馬車馬のように働かせて成り上がる方法もあるのかもしれない。でももっと冷静になって考えてみてほしい。それで本当に成功できる人の確率は何万分の一か。そしてそんな状態になって得られるものは何か?

スタートアップは常に理想を求め動いている。その理想を改めて考え直し、企業文化を大切にするスタートアップが増えてきてほしい。そうすればより良い集団ができ、結果としてより良いサービスが出てくるのではないか。私はそう感じているのである。